施工管理の仕事は「残業が多い」と言われることが多いですが、なぜ忙しくなりやすいのでしょうか。
実際に現場で働いていると、
「どうしてこんなに時間が足りないのか」
「気づいたら残業になっている」
と感じる場面は少なくありません。
この記事では、施工管理で残業が発生しやすい原因と、少しでも負担を減らすための考え方や工夫について、実体験をもとに解説します。
施工管理で残業が発生しやすい理由とは
施工管理の仕事は、現場と事務作業の両方をこなす必要があります。
・現場での立ち会いや管理
・写真管理や書類作成
・打ち合わせや調整
こうした業務が重なることで、どうしても時間が足りなくなりやすい仕事です。
また、天候や工程のズレなど、自分ではコントロールできない要素も多く、予定通りに進まないことも残業につながる原因の一つだと感じています。
施工管理の残業は、常に多いわけではなく、時期によって大きく変わると感じています。
工事準備期間や施工開始直後は比較的落ち着いていることもありますが、
繁忙期や工期直前、検査前などの時期になると、一気に業務が増え、残業が発生しやすくなります。
例えば、下請け業者が現場に入る前には、
・安全書類の取りまとめ
・各作業の手順書や計画書の作成
といった事前準備が必要になります。
さらに施工が始まると、
・重機や地山の巡視・点検
・現場の測量
・写真撮影
など、現場対応の業務も増えていきます。
こうした作業を日中にすべて終えるのは難しく、時間を作れなかった分は、夕方の終業後に書類や写真の整理を行うことになり、結果として残業につながることが多いと感じています。
施工管理は業務の幅が広く、現場と事務作業が重なることで残業が発生しやすい仕事です。
また、時期によって業務量が大きく変わることも、残業が増える原因の一つだと感じています。
施工管理で残業が増えやすい具体的な原因
1. 書類作成や写真管理に時間がかかる
施工管理では、写真整理や書類作成などの事務作業が多くあります。
日中は現場対応が中心になるため、どうしても作業は後回しになり、結果として残業時間に対応することが多くなります。
施工管理では、実際に自分で作成する書類に加えて、各業者から提出してもらった書類を取りまとめる作業も多くあります。
例えば、
・工事公告中の質問書
・受注後の施工計画書
・施工手順書や重機作業計画書などの安全書類
といった、工事を始める前の準備書類があります。
さらに施工が始まると、
・工事打合せ簿の作成や提出
・施工内容の変更に伴う計画書の修正
・出来形管理図や品質管理図の作成
・各種測定に向けた準備や黒板の用意
など、状況に応じて対応する書類や準備が増えていきます。
これに加えて、掲示物の整理など細かな業務もあり、書類関係の作業は想像以上に多いと感じています。
こうした作業を、現場対応と並行して進めていく必要があるため、段取りができていないと自分の時間を作ることができず、結果として残業が増えてしまうことにつながります。
特に日中は現場対応が優先になるため、書類作業はどうしても後回しになりやすいと感じています。
2. 現場対応が優先になりやすい
現場では、突発的な対応が必要になることも多くあります。
・施工の確認
・トラブル対応
・作業員との打ち合わせ
こうした対応を優先すると、予定していた作業が後ろにずれ込み、残業につながることがあります。
現場では、想定していなかった事案が発生することがあります。
例えば、
・掘削中に地山から湧水が出てきて法面整形が難しくなる
・岩線に当たり、岩着で仕上げてよいか判断が必要になる
といったケースです。
こうした事案については、自分の判断だけで決めることはできないため、発注者の監督職員に立会確認を依頼し、その後の対応について協議する必要があります。
また、設計図書との相違や施工中のトラブルへの対応など、現場ではその都度判断や調整が求められる場面が多くあります。
こうした対応はその場で優先して行う必要があるため、予定していた作業が後回しになり、結果として書類作成や写真整理が終業後にずれ込み、残業につながることが多いと感じています。
現場対応が優先になる以上、書類作業とのバランスをどう取るかが重要だと感じています。
3. 段取り不足で手戻りが発生する
段取りがうまくできていないと、
・準備不足で作業が止まる
・写真の撮り直し
・やり直し作業
といった手戻りが発生しやすくなります。
こうした積み重ねが、結果として残業につながると感じています。
実際に手戻り作業が発生したとき、
「未然に防げたのではないか」という情けなさと、「もっとできたはず」という悔しさを感じたことがあります。
さらに、叱られる不安や、施工していただいた業者さんに対して謝罪やお願いをしなければならない状況もあり、何とも言えない気持ちになりました。
自分一人が測り忘れや撮影忘れで動き直すだけであればまだいいのですが、現場は自分一人で動いているわけではありません。
一つのミスが、施工班全体の手戻りにつながり、結果として現場全体に影響を与えてしまいます。
こうした手戻りは、段取りを意識していれば防げる場面も多いと感じています。
例えば、事前に
・測定が必要な箇所の確認
・写真の撮影タイミングの整理
をしておくだけでも、無駄な手戻りを減らすことができます。
手戻りが発生すると、その分の作業や対応が増え、結果として残業につながることも少なくありません。
そのため、日々の進捗を把握しながら、次に必要な作業を先回りして考えることを意識するようにしています。
手戻りを減らすことが、結果として時間の余裕を作ることにつながると感じています。
👉 内部リンク(段取り記事)
施工管理の段取りについてはこちらでも解説しています。
→ 施工管理で段取りが大事と言われる理由とは?新人向けに分かりやすく解説 | 現場監督の土木ラボ
4. 天候や工程のズレによる影響
施工管理では、天候の影響を大きく受けます。
雨や雪などで工程がずれると、その分の調整や対応が必要になり、作業が集中してしまうことがあります。
施工管理の仕事は、天候の影響を大きく受けます。
近年では、特記仕様書に4週8休を確保するよう記載されており、降雨などで現場施工ができない場合には、現場閉所日として別日に振り替えることができるようになっています。
そのため、以前と比べると工期への影響は調整しやすくなってきていると感じています。
しかしその一方で、現場閉所日には事務所も閉所扱いとなるため、書類作業を進めることができず、「雨の日に書類を進めておく」といった対応が難しい場面もあります。
その結果、施工ができない日と書類作業のタイミングがうまく合わず、作業が後ろにずれ込み、残業につながることもあると感じています。
個人的には、現場閉所日であっても事務所での書類作業は可能にしてもらえると、現場代理人の負担軽減につながるのではないかと感じています。
天候と工程のズレは避けられない部分だからこそ、段取りや時間の使い方がより重要になると感じています。
5. 報連相や調整業務が多い
施工管理は一人で完結する仕事ではなく、多くの人と関わります。
・協力会社との調整
・上司への報告
・発注者とのやり取り
こうしたコミュニケーションが多いことも、忙しさにつながる要因の一つです。
施工管理では、多くの人と関わるため、報連相や調整業務が多くなります。
例えば、
・先輩や上司への相談や進捗報告
・発注者との立会や段階確認の日程調整
・施工内容の変更に伴う連絡
・資機材の手配に関する商社とのやり取りや納期調整
など、日々さまざまな連絡や調整が必要になります。
こうした対応は電話だけでなく、事務所での打合せも多く、思っている以上に時間を取られることがあります。
また、相手の営業時間の関係もあるため、調整が遅れると、
・打設日に間に合わない
・資材が入ってこない
といったトラブルにつながる可能性もあり、疎かにすることができません。
そのため、日中は現場対応や調整業務に追われ、書類作業などが後回しになり、結果として残業につながることが多いと感じています。
残業が増える原因は一つではなく、業務の重なりや段取り、調整など複数の要因が関係しています。
特に調整業務は時間が読みにくいため、余裕を持った対応が重要だと感じています。
👉 内部リンク(報連相記事)
施工管理の報連相についてはこちらで詳しく解説しています。
→ 施工管理の報連相で新人が意識したいこと|現場で困らない伝え方を解説 | 現場監督の土木ラボ
施工管理の残業を減らすために意識したいこと
1. 段取りを意識して先回りする
その日の流れや次の作業を把握しておくことで、無駄な手戻りを減らすことができます。
今日の作業内容を把握し、「この作業なら、測点3地点まで進んだら写真が必要になるな」といったように、その日の流れを意識することから始めました。
最初は目の前の作業で精一杯でしたが、少しずつ
「今日の流れ」→「明日の流れ」→「1週間の流れ」
と考えられるようになり、段取りを意識して動けるようになってきました。
もちろん、最初からできたわけではなく、段取り不足で叱られたり、うまくいかずに悔しい思いをしたことも多くあります。
ですが、先回りして準備しておくだけで、
・手戻りの防止
・写真や測定の抜け防止
・作業の停滞防止
につながり、結果として無駄な作業や時間を減らすことができると感じています。
その積み重ねが、残業を減らすことにもつながっていくと思います。
段取りを意識することが、結果として自分の時間を作ることにつながると感じています。
2. 小さな作業を後回しにしない
写真整理やメモなど、短時間でできる作業はその場で対応することで、後の負担を減らすことができます。
その日1日の写真整理は、やろうと思えば1時間ほどでまとめられる作業だと思います。
ただ、現場作業や管理、書類作成などを終えたあとに
「明日でいいか」「週末にまとめてやろう」と先延ばしにしてしまうと、気づいたときにはかなりの枚数になってしまいます。
自分も後回しにしてしまうことが多く、検査前にまとめて対応することになり、ひーひー言いながら整理したことが何度もありました。
その日のうちに終わらせられる作業を少しずつ処理しておくだけで、後の負担は大きく変わります。
小さな作業の積み重ねを後回しにしないことが、結果として時間の余裕を作り、残業を減らすことにつながると感じています。
3. 周囲に頼ることも大切
すべてを一人で抱え込まず、作業員や同僚に相談することで、作業効率が上がることもあります。
施工管理の仕事は、一人ですべてをこなせるものではありません。
そのため、「自分でやること」と「周囲に任せた方が効率がいいこと」を割り切って考えることも大切だと感じています。
例えば、
・自分がやるべき管理業務
・作業員に任せた方が早い作業
といったように、やるべきことに線引きをしておくことで、無駄な負担を減らすことができます。
また、人に伝えて頼ることで、相手の作業も確保することができ、現場全体としてもスムーズに動きやすくなります。
一人で抱え込まずに周囲をうまく頼ることが、結果として作業効率を上げ、残業を減らすことにつながると感じています。
4. 完璧を求めすぎない
最初から完璧にこなそうとすると、かえって時間がかかってしまうこともあります。
施工管理の仕事では、すべてを完璧にこなそうとすると、かえって空回りしてしまうことがあります。
「全部やらなきゃ」と焦るのではなく、まずは「ここまでやる」と決めて一つずつ進めていくことが大切だと感じています。
その上で、一度確認してもらい、次にやるべきことに進むといったように順序立てて進めることで、無駄なやり直しを減らすことができます。
結果として、一つひとつできることが増えていき、身につくスピードも変わってくると思います。
また、完璧を求めすぎて時間をかけすぎてしまうと、作業が終わらず残業につながることもあります。
優先順位を意識しながら取り組むことが、効率よく仕事を進めるために大切だと感じています。
👉 内部リンク(成長)
施工管理の仕事を通して身につく力については、こちらの記事でも解説しています。
→ 施工管理を続ける中で身につく力とは?現場で感じる成長ポイントを解説 | 現場監督の土木ラボ
施工管理の残業は避けられないのか
施工管理の仕事は、天候や工程の影響を受けるため、どうしても忙しくなる時期があります。
そのため、残業を完全にゼロにすることは難しい仕事だと感じています。
ただ、自分の上司に時間の使い方がとても上手な方がいます。
その方は現場の流れを把握しながら、事務所での作業時間も確保し、そのうえで本社業務までこなしています。
以前は「なぜあんなに仕事が終わるのだろう」と不思議でしたが、今振り返ると段取りや優先順位の付け方が違っていたのだと思います。
現場の進捗を把握し、先回りして準備を行い、小さな作業を後回しにしない。
そうした積み重ねによって時間を作り出していたのだと感じています。
もちろん経験の差もありますが、時間は与えられるものではなく、自分で作るものだということを学びました。
残業を完全になくすことは難しくても、工夫次第で減らすことは十分可能だと思います。
施工管理の残業はゼロにすることは難しいですが、工夫次第で減らすことはできます。
また、時間は意識して作るものだと考えることで、働き方も大きく変わっていくと感じています。
まとめ
施工管理で残業が発生しやすいのは、
・業務の幅が広い
・現場対応が優先される
・段取りや調整が必要になる
といった理由があるためです。
自分自身も、最初は時間の使い方が分からず、気づけば残業になっていることが多くありました。
ですが、段取りや日々の工夫を意識することで、少しずつ余裕を持って動けるようになってきました。
残業は完全になくせるものではありませんが、考え方や行動を変えることで、負担を減らすことはできると思います。
それでは皆さんご安全に!👷♂️✨🫡


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