施工管理の仕事は、大変だと感じることも多い仕事です。
覚えることも多く、責任もあり、現場と書類の両方を見なければならないため、慣れるまではしんどいと感じやすいと思います。
ただ、その一方で、施工管理を続ける中で少しずつ身についていく力もあります。
最初は何も分からなかった状態でも、現場で経験を重ねることで、
・先を読んで動く力
・人とやり取りする力
・段取りを考える力
・責任を持って進める力
などが少しずつ育っていきます。
自分も最初から何でもできたわけではありません。
むしろ分からないことだらけで、怒られたり、焦ったり、落ち込んだりしながら覚えてきました。
それでも振り返ると、続けてきたからこそ身についたと感じる力は確かにあります。
この記事では、
・施工管理を続ける中で身につく力
・現場で成長を感じやすいポイント
・最初の頃との変化
・続ける中で見え方が変わること
を、現場目線で分かりやすく解説します。
施工管理の仕事は大変さも多く、辞めたいと感じる時期があるのも自然なことだと思います。
そうしたしんどさについては、こちらの記事でも詳しくまとめています。
→施工管理を辞めたいと感じるのはどんな時?つらくなりやすい原因を解説 | 現場監督の土木ラボ
施工管理は大変だけど、その分身につく力も多い
施工管理の仕事は、楽な仕事ではないと思います。
現場の確認、写真管理、書類作成、段取り、打ち合わせなど、やることが多く、責任もあります。
だからこそ、続ける中で自然と鍛えられる力も多いです。
最初はただ目の前のことに必死でも、経験を重ねるうちに
・次の流れを読む力
・優先順位をつける力
・人に伝える力
・問題に気づく力
などが少しずつ身についていきます。
最初の頃と比べると、今は現場を見る力がかなり養われたと感じています。
以前より俯瞰して現場を見ることが増えたことで、
「あそこの作業はいつ頃までに終わりそうか」
「この資材はいつ発注するといいか」
といったことを自然に考えられるようになってきました。
完成後のイメージも少しずつ持ちながら、現場を見られるようになったと実感しています。
また、3年目や4年目の頃は、作業班に何かを伝えるにも自信が持てず、指示を出すことに戸惑う場面が多くありました。
ですが今では、次の工程や優先順位を以前より考えられるようになったことで、流れに沿って指示を出せるようになってきたと思います。
施工管理は大変な仕事ですが、続ける中で自分でも気づかないうちに現場を見る力や段取りを考える力が身についていくのだと思います。
施工管理を続ける中で身につく力とは
1. 段取りを考える力
施工管理を続ける中で大きく身につくのが、段取りを考える力です。
現場では、
・次に何をするのか
・その前に何を準備するのか
・誰に何を伝えるのか
・どこで確認が必要か
を考えながら動かなければなりません。
最初のうちは目の前のことだけで精一杯でも、経験を重ねる中で少しずつ先を読んで動けるようになっていきます。
本当の意味で段取りを意識するようになったのは、「逃げたい」「辞めたい」と思った3年目の冬の日からでした。
それまでは、作業の指示を出して、その日一日を何とかこなしていくような感覚でした。
ただ、俯瞰して現場を見るようになる中で、それでは何も変わらないと思うようになりました。
そこからは、工期まで残り3か月という中で、1日、1週間、1か月という単位で工程を考え、計画工程表に沿って進んでいるかを確認するようにしました。
その流れを把握したうえで指示を出し、少しでも手が空いている作業員さんがいれば、次の指示や進捗確認を行うなど、段取りを意識して動くようになっていきました。
その中で特に大事だと感じたのは、前日の準備です。
前日に進捗報告や翌日の段取りを先輩と共有しておくことで、作業員さんへの指示についても補足してもらえますし、自分では気づけなかった視点や考え方を学ぶこともできました。
やはり、報告・連絡・相談を欠かさず行うことで、段取りを考える力は少しずつ身についていくのだと思います。
施工管理では、ただ指示を受けて動くだけでなく、自分で段取りを考える力が育っていきます。
この力は現場だけでなく、他の仕事にも活きる力だと思います。
2. 周囲とやり取りしながら進める力
施工管理は、一人で完結する仕事ではありません。
職人さん、施工業者さん、上司、発注者など、多くの人とやり取りしながら進める仕事です。
そのため、
・相手に伝わるように話す
・確認のタイミングを考える
・相談しやすい関係を作る
・相手に合わせて伝え方を変える
といった力が自然と鍛えられます。
最初の頃は、自分に自信もなく、どう伝えればいいのか分からず、伝えても相手にうまく伝わっていないなと感じることが多くありました。
そこでまず意識したのは、先輩への報連相の中で、できるだけ簡潔に、回りくどくならないように伝えることでした。
そうしていくうちに、先輩から
「よく考えているじゃん」
「その段取りでいいんじゃないか」
と言ってもらえることが増え、少しずつ自分の伝え方にも自信が持てるようになりました。
また、先輩への報連相は基本的に1対1で行っていたため、その方が相手に伝わりやすいのではないかと感じるようになりました。
そこで翌日からは、現場でも一人ひとり名前を呼んで、具体的に指示を出すように心がけました。
それまでは、2人や3人で作業している班に対して代表者だけに伝えることが多かったのですが、グループ全体を呼び、一人ひとり名前を呼んで役割を伝え、内容を確認しながら指示を出すようにしました。
そうすることで、それぞれが自分の役割を意識しやすくなり、作業に対する責任感も持ってもらいやすくなったと感じています。
こうした経験を通して、伝えるという行為ひとつ取っても、自分の考え方や伝え方次第で、結果は大きく変わるのだと実感しました。
施工管理を続けると、人とやり取りしながら仕事を進める力が身についていきます。
現場では、コミュニケーションそのものが大切な力のひとつです。
3. 優先順位を考える力
現場では、同時にいろいろなことが起こります。
安全確認、写真撮影、測量、打ち合わせ、書類作成などが重なる中で、何を先にやるべきかを考える場面は多いです。
そのため、施工管理を続ける中で、
・今すぐやるべきこと
・少し後でもいいこと
・その場でしかできないこと
を分けて考える力が少しずつ身についていきます。
現場では、どれも大事ではあるのですが、その中で優先順位をつけられないと、結果的に時間を無駄にしてしまうことがあります。
自分は、ひとまず自分一人で完結できる書類は夕方や空き時間を使って進めるようにして、まずは現場を優先するようにしています。
現場は天候に左右されることもあるため、晴れているうちに少しでも施工を進めておく必要があります。
そのため、施工箇所の丁張や位置出し、施工中の写真撮影、出来形測定などについては、施工班の手を止めずに進めてもらえるよう意識して動くようにしています。
それでも過去には、丁張や位置出しを「昼過ぎからお願い」と頼まれていたことがありました。
そのとき、自分は「昼過ぎならまだ大丈夫だろう」と思って書類作成を優先してしまい、結果的に
「写真を撮りに来るの?」
「ここは写真区間だよね?」
と電話をもらったことがあります。
電話をもらえたからよかったものの、もし確認がなければ、そのまま撮影できずに進んでいたかもしれませんし、現場で施工班の手を止めさせてしまっていたかもしれません。
この経験から、優先順位を考えて動いていても抜けが出ることはあるので、必要なタイミングで連絡をもらえるようにしておくことも大切だと感じました。
施工管理では、忙しい中でも優先順位を考える力が育っていきます。
この力がつくと、現場でも以前より落ち着いて動きやすくなると思います。
成長を感じる一方で、新人のうちは現場でミスしやすいポイントも多いと思います。
つまずきやすい点については、こちらの記事でも詳しくまとめています。
→施工管理の新人がまずミスしやすいこと5選|現場で困りやすいポイントを解説 | 現場監督の土木ラボ
4. 問題に気づいて対策を考える力
施工管理をしていると、現場では予定通りにいかないことも多いです。
進捗のずれ、準備不足、安全上の問題、作業のやりにくさなど、いろいろな問題が出てきます。
その中で、
・何がうまくいっていないのか
・原因はどこにあるのか
・どう改善するべきか
を考える力が少しずつ身についていきます。
安全管理では、バリケードの設置や転落防止のための路肩表示、開口部への注意用の囲いなど、危険箇所に応じた安全設備を速やかに設置しなければなりません。
ただ、自分も以前、先輩との現場巡視の際に
「あそこの部分、まだバリケードしていないね」
と言われたことがありました。
そのときは「すぐ設置しておきます」と返したものの、自分の写真作業もあって、その場ですぐには対応せず、結果的に後から設置することになりました。
その日のうちには設置できたとはいえ、時間は夕方になっていました。
本来、安全設備は作業班が出入りしている時間帯にこそ必要なものです。
それが作業時間内に設置されていないということは、危険を放置していたのと同じだと今は感じています。
安全第一と言いながら、自分の中でそこが疎かになっていたのだと思います。
叱られはしませんでしたが、
なぜその場で自分の作業を中断できなかったのか、
なぜ他の人に依頼しなかったのか、
先輩に言われるまで自分も含めて誰も違和感を持てなかったのか、
と反省する点が多くありました。
現場を俯瞰して見ていても、気づけないことは確かにあります。
それでも、安全第一という考え方のもとで現場を動かすことを忘れてはいけないと改めて感じました。
今は、以前よりも俯瞰して現場を見る回数が圧倒的に増えました。
誰よりも先に危険に気づき、未然に防げるように、安全設備の設置や周知といった安全管理を意識して行うようにしています。
施工管理を続けると、問題に気づいて対策を考える力が少しずつ身についていきます。
うまくいかなかった経験も、振り返れば次に活かせる力になっていくと思います。
5. 責任感とやり切る力
施工管理では、自分の確認や判断が現場に影響することがあります。
そのため、責任の重さを感じる場面も多いです。
ただ、その経験を重ねることで、
・自分がやるべきことを最後までやる
・途中で投げ出さずに向き合う
・しんどくても一つずつ進める
といった力も身についていきます。
逃げたくなることは、正直何度もあります。
天候の影響で現場が思うように進まないとき、工期が迫っているとき、現場が忙しくて書類が間に合わず残業が増えてきたとき、作業班の進捗が思うように進まないときなどは、特にそう感じやすいです。
今は、新人の頃のように「自分ができなくて逃げたい」というより、現場を任されるようになったことで生まれるプレッシャーから逃げたいと思うことが多いと感じています。
もちろん、仮に自分が逃げたり辞めたりしても、現場そのものは終わりません。
ただ、本当に体調を崩したり、心が壊れてしまうほどつらいときは、そこまで無理をする必要はないとも思っています。
自分は、辞めたい、逃げたいと思ったときに、その原因や対策を考え、一つずつ実行して改善できたからこそ、今も続けてこられました。
そして、現場を終えたときに先輩から感謝の言葉をもらえたり、協力会社の方から「頑張ったね」と声をかけてもらえたりしたことが、今でも大きな励みになっています。
実際、施工が終わった現場が衛星写真に反映されているのを見ると、今でも少しうれしくなります。
あのとき逃げなくてよかったと思える瞬間でもあります。
施工管理を続ける中で、責任感ややり切る力も少しずつ育っていきます。
しんどい経験も、振り返ると自分の土台になっていることがあります。
成長は急に感じるものではなく、後から気づくことが多い
施工管理をしていて感じるのは、成長はその場ですぐ実感するものばかりではないということです。
むしろ、
・前は分からなかったことが今は少し分かる
・前は焦っていた場面で今は落ち着いて動ける
・前は聞けなかったことを今は確認できる
・前は見えていなかった危険や流れが見える
といった形で、後から振り返ったときに気づくことが多いと思います。
新人の頃と今とで大きく違うと感じるのは、気持ちに少し余裕ができたことです。
今振り返ると、先輩から何度も言われていた
「現場を見ろ」
という言葉の意味が、ようやく分かってきたように思います。
また、先輩や上司、協力会社の職長さんなど、建設業に携わる方々から聞いた経験談や、これまで叱られてきたことにも、それぞれきちんと意味があったのだと感じています。
そうした言葉を素直に聞いて実行していくことが、成長への近道なのだと改めて気づかされました。
以前よりも現場を俯瞰して見られるようになり、危険がないか、進捗はどうかといった点にも自然と目が向くようになってきたと思います。
そうした変化があるからこそ、以前ほど焦ったり慌てたりすることが減り、まだまだ発展途上ではありますが、少しずつ現場を回せるようになってきたのではないかと感じています。
成長は、毎日分かりやすく感じるものばかりではありません。
でも続けていると、後から振り返ったときに見える変化は確かにあると思います。
施工管理を続ける中で身につく力は、現場以外でも活きる
施工管理で身につく力は、現場の中だけで終わるものではないと思います。
例えば、
・段取りを考える力
・相手に伝える力
・優先順位をつける力
・問題を整理して対策を考える力
・責任を持ってやり切る力
は、他の仕事や日常でも活きる力です。
だからこそ、施工管理の仕事を通して身につく力には意味があると感じます。
施工管理を続ける中で、考え方や物事の受け止め方も少しずつ変わってきたように思います。
現場とは誠実に向き合わなければいけませんが、そのうえで自分の中では「何とかなる」と前向きに考えられるようになってきました。
例えば、天気が崩れて施工が思うように進まないときは、その分書類作成を進めればいいと考えられるようになりました。
逆に、天気が続いて施工が順調に進むときは、それを素直にありがたいと思えます。
自分ができることが増えてきたことで、物事を前向きに受け止められる場面が増えたと感じています。
また、現場に従事してくださる協力会社の方々や、必要な資材が無事に納品されることなど、現場が回るのは多くの人や物事に支えられているからだと実感するようになりました。
きれいごとに聞こえるかもしれませんが、実際にそう思っています。
危険が尽きない建設業の中で、今日も無事に現場を終えられたというだけでも、すごいことだと思います。
そうした日々を重ねる中で、どんなに些細なことにも感謝する気持ちを持てるようになったのは、自分の中で大きな変化です。
施工管理を続ける中で身につく力は、現場だけでなく他の場面でも活きる力です。
大変な中で身につけた考え方や姿勢には、それだけの価値があると思います。
まとめ
施工管理を続ける中で身につく力として、
・段取りを考える力
・周囲とやり取りしながら進める力
・優先順位を考える力
・問題に気づいて対策を考える力
・責任感とやり切る力
などがあります。
最初はしんどく感じることも多いですが、続ける中で少しずつ身についていく力は確かにあります。
しかもそれは、現場の中だけでなく、他の仕事やこれからの自分にも活きていくものだと思います。
成長は、そのときには分かりにくくても、後から振り返ると見えてくることが多いです。
だからこそ、今しんどい時期にいるとしても、続けてきたことにはちゃんと意味があると思います。
それでは皆さんご安全に!👷♂️✨🫡

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