丁張とは?切土・盛土の設置方法と考え方を図解で分かりやすく解説

測量・現場実務

現場で「丁張かけて」「丁張出てる?」といった言葉を聞くことがあると思います。

ただ、

・丁張って何のためにあるのか分からない
・ただの目印に見える
・どうやって使っているのかイメージできない

と感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、丁張の役割や種類、実際の使い方について新人向けに分かりやすく解説していきます。

施工管理で行う測量の全体像については、こちらの記事で詳しく解説しています。
土木施工管理で行う測量とは?役割と基本を新人向けに分かりやすく解説 | 現場監督の土木ラボ

丁張とは何か

丁張とは、構造物の位置や高さの基準を現場に示すための手段で用います。

図面上の設計を実際の現場に落とし込むための「目印」として設置されます。

例えば

丁張は、設計通りに施工するための基準を現場に示す重要なものです。

丁張はなぜ必要なのか

丁張がないと、

・どこまで掘るのか分からない
・どの高さまで施工すればいいか分からない

といった状態になります。

そのため、丁張によって高さや位置を明確にすることで、施工の精度を確保しています。

例えば、現地盤高さがGH=145.250m、計画高がFH=140.000mの場合、5.25mの掘削が必要になります。

切土では、法面の高さが大きくなる場合、一般的に一定の高さごとに小段を設けながら施工します。

今回のように5mを少し超える5.25mといった条件では、5mの法面と残りの高さをどのように処理するのか、小段を設けるのかなどを設計図書や現場条件から確認する必要があります。

実際には、このような中途半端な高さの場合、発注者との協議によって小段を設けずに施工するケースも考えられます。

このように、どこまで掘るのか、どの位置に小段を設けるのか、どの法面勾配で施工するのかといった条件を現場に示すためにも丁張が使われます。

実際に丁張が間に合わず、最初の1箇所だけ設置した状態で「間に合うところからでいい」と言われ施工を進めたことがありました。

しかし掘削の進行が速く、その都度床高の確認しかできない状況となり、十分な管理ができませんでした。

その現場では縦断方向に1:2.8の勾配がついていたため、観測ポイントが少しずれるだけで高さに誤差が生じてしまい、結果として手戻りが発生し、施工班に迷惑をかけてしまいました。

丁張は、施工の精度を確保し、手戻りや施工ミスを防ぐために欠かせない重要な基準です。

実際の丁張の考え方を図で確認してみます。

なお、下の図では丁張を施工しやすい位置に設けるため、計画高から250mm上げた基準を設定して考えています。

このように、丁張は高さと距離、勾配の関係を現場に見える形で示す役割があります。

丁張の種類

1. 法丁張

法面の勾配や高さを現場に示すための丁張です。
主に切土や盛土の施工で使用し、斜めに取り付けた板によって施工する法面の勾配を確認できます。

2. トンボ丁張

施工する高さを分かりやすく示すための丁張です。
杭に横板を取り付け、その高さを基準として掘削高さや仕上がり高さなどを確認します。

これは、実際の現場で使用しているトンボ丁張の例です。

杭に横板を取り付け、その高さで施工の基準を示しています。
この横板の高さが「仕上がり高さ」や「掘削高さ」の目安となります。

3. 門丁張

構造物の位置や高さを現場に示すために使用する丁張です。
構造物から少し離れた位置に設置し、水糸などを張ることで施工位置を確認できるようにします。

丁張は用途によって種類があり、現場に応じて使い分けます。

切土と盛土での丁張の考え方

切土では地盤を掘り下げる方向に基準を示しますが、盛土では反対に地盤から盛り上げていく高さと勾配を示します。基本となる「高さ・位置・勾配を現場に示す」という丁張の役割は同じです。

この図は、盛土における丁張の設置方法を示したものです。

まず、盛り始めの位置(現況地盤)を基準とし、そこから高さを確認していきます。
丁張の横板は、盛り始めの地盤高から+200mmの位置に設置し、施工時の目安となる基準をつくります。

そのうえで、設定した勾配(この場合は1:1.5)に基づき、盛土の高さと法長(斜距離)を算出します。
図の例では、盛土高3.5mに対して、法長は約6.309mとなります。

施工時は、この丁張を基準として「どの高さまで盛るか」「どの勾配で仕上げるか」を判断しながら作業を進めていきます。

丁張は単なる目印ではなく、高さと位置(勾配)を現場に見える形で示す重要な基準となります。

丁張を正しく設置することで、施工精度の向上だけでなく、作業の効率化や手戻り防止にもつながります。

丁張とレベル測量の関係

丁張は、レベル測量によって出した高さをもとに設置されます。

レベルで高さを出し、その高さを現場に見える形にしたものが丁張です。

レベル測量の基本や計算方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
レベル測量とは?見方・読み方・計算方法を新人向けに分かりやすく解説 | 現場監督の土木ラボ

丁張はレベル測量とセットで行うことで、正確な施工につながります。

新人が最初に意識したいポイント

・高さの意味を理解する
・丁張の位置と施工内容を結びつける
・「何のための丁張か」を考える

丁張を理解するためには、「高さ」と「距離」をセットで考えることが重要です。

例えば、切土の場合「計画高さから2.5m上がりで丁張を掛ける」といった条件であれば、そこから法尻位置までの距離を算出し、さらに30cmほど逃がして杭を打つ必要があります。

このように、一つひとつの条件を順を追って理解していく必要があり、自分も最初は理解するまでに時間がかかりました。

また、丁張は「掛けて終わり」ではありません。
掛けた丁張を基準に、施工者がどの勾配でどれだけ切土・盛土を行うのかを判断するための指標になります。

さらに、丁張の意味を理解したうえで施工者へ説明ができれば、その場に張り付かなくても現場を進めることができ、管理者としての時間を作ることにもつながります。

最初からすべてを理解することは難しいですが、高さから距離を求める考え方や「逃げ」の意味を理解できてくると、丁張の説明もできるようになっていきます。

自分も最初は「言われた通りに掛ける」だけでしたが、意味を理解してからは現場の見え方が大きく変わりました。

こうしたミスを防ぐためには、日々の段取りや事前確認が重要になります。
施工管理で段取りが大事と言われる理由とは?新人向けに分かりやすく解説 | 現場監督の土木ラボ

丁張や測量の考え方は、施工管理技士の資格勉強とも深く関わっています。
実務と資格勉強のつながりについては、こちらの記事で解説しています。
土木施工管理の資格勉強は意味ある?実務でどう活きるのかを解説 | 現場監督の土木ラボ

まとめ

丁張は、図面上の高さ・位置・勾配を現場に見える形で示すための重要な基準です。

レベル測量などで求めた高さを丁張として現場に示すことで、施工者と管理者が同じ基準を共有し、設計に沿って施工を進めることができます。

最初は高さや距離、勾配の関係が分かりづらいかもしれません。
しかし、実際の丁張と図面を照らし合わせながら現場で繰り返し確認することで、少しずつ理解できるようになります。

丁張を「ただ掛けるもの」ではなく、施工者へ設計を伝えるための基準として考えることが、理解への第一歩です。

丁張を設置する際には、高さだけでなく構造物や法面の正確な位置を出すことも重要です。
次回は、位置出しに欠かせない「トータルステーション(光波測量)」について、基本的な仕組みや現場での使い方を解説していきます。

それでは皆さんご安全に!👷‍♂️✨🫡

コメント

タイトルとURLをコピーしました