施工管理の仕事は、現場で写真を撮ったり、職人さんと打ち合わせをしたりするイメージを持たれやすいですが、実際には書類に触れる場面もかなり多いです。
新人の頃は、現場の流れを覚えるだけでも大変なのに、
・聞いたことのない書類名が多い
・何のための書類なのか分からない
・どれを優先して覚えればいいのか分からない
と感じることも多いと思います。
自分も最初は、書類の名前を聞いても役割がすぐに結びつかず、どの場面で必要になるのか分からないことがよくありました。
ただ、現場で繰り返し触れていくうちに、「まずはよく使う書類の役割をざっくり理解することが大事なんだ」と感じるようになりました。
この記事では、
・施工管理で新人が最初に触れやすい書類
・それぞれの書類がどんな場面で使われるのか
・新人のうちはどこまで理解しておけばいいのか
・書類を覚えるときに意識したいポイント
を、現場目線で分かりやすく解説します。
施工管理の仕事全体の流れについては、こちらの記事でもまとめています。
→土木施工管理の1日の流れをわかりやすく解説|現場監督は何をしている? | 現場監督の土木ラボ
なぜ新人は施工管理の書類で戸惑いやすいのか
新人が施工管理の書類で戸惑いやすいのは、書類の名前だけでは役割が分かりにくく、しかも種類が多いからです。
現場では、
・作業前に確認する書類
・品質や出来形を記録する書類
・安全に関する書類
・提出のためにまとめる書類
など、目的の違う書類がいくつもあります。
しかも、最初は書類を一から作るというより、
「この書類を出して」
「ここを確認して」
「この内容を記入して」
と言われて触れることが多いため、全体像がつかみにくいです。
最初は、覚える図面の種類だけでも多く感じました。
そのうえ、作成する書類の種類も多く、それぞれが何のための書類なのかを理解するだけでも大変でした。
例えば、KY活動(危険予知)やリスクアセスメントのように、内容としては近いのに別の言い方をしている書類もあり、最初の頃は違いがよく分からず、覚えるのに必死でした。
また、土木の仕事は全体的に横文字や略語が多い印象があり、それも新人のうちは戸惑いやすい理由のひとつだと思います。
だからこそ、新人が書類で戸惑いやすいのは、覚える量が多いだけでなく、それぞれの役割が見えにくいからだと感じています。
そのため、新人のうちは
書類の名前を覚えることより、まずは“何のために使う書類なのか”を知ること
が大切だと思います。
施工管理で新人が最初に触れやすい書類とは
施工管理の現場ではさまざまな書類がありますが、新人のうちに特に触れやすいのは、次のようなものです。
・施工計画書
・工程表
・出来形管理に関する書類
・品質管理に関する書類
・安全に関する書類
・工事写真に関する書類や整理資料
もちろん現場によって違いはありますが、まずはこのあたりの書類が、仕事の流れの中で少しずつ身近になりやすいと思います。
新人のうちは、全部を完璧に理解しようとするより、
「この書類はどんな場面で使うのか」
を押さえていくことが大切です。
新人の頃に最初に触れやすいのは、朝礼時に使うKY表(危険予知活動表)や、重機作業計画書などの安全に関する書類だったと思います。
現場では、どこに危険箇所があるのか、どんな事故の可能性があるのかを把握することが大切で、例えば重機との接触は一瞬で大きな事故につながることもあります。
そのため、何よりもまず安全に関する書類を目にする機会が多かったと感じています。
その後、工事写真についての施工管理基準書や仕様書の見方に触れるようになり、実際に写真を撮るようになってからは、出来形管理や品質管理に関する書類も少しずつ身近になっていきました。
さらに、現場の段取りを考えるようになった頃からは、施工計画書を見る機会も増えたように思います。
自分の中では、現場での役割が少しずつ広がるにつれて、触れる書類の種類も増えていった感覚があります。
新人のうちに触れやすい書類はいくつかありますが、最初は全体像をざっくりつかむことが大事です。
よく出てくる書類から役割を知っていくと、理解しやすくなると思います。
新人がまず覚えたい書類と役割
施工計画書|その工事をどう進めるかの基本になる書類
施工計画書は、その工事をどのような方法や手順で進めるかをまとめた書類です。
施工方法、安全面、品質確保、使用機械、施工体制など、工事全体の考え方がまとまっています。
新人のうちは最初から細かく理解するのは難しくても、
「この工事はこういう流れと考え方で進めるんだな」
という全体像をつかむために役立ちます。
施工計画書を初めて読んだときは、
「こんなに多くの書類を作成しなければいけないのか」
「どこからどう読めばいいのか」
と圧倒されたのを覚えています。
実際、施工計画書には安全だけでなく、品質管理や出来形管理なども含まれていて、この工事のどの工種のどの部分が仕様書や基準書のどこに当たるのかを探すのも大変でした。
しかも、それを実際の現場に落とし込んで管理し、施工してもらうことまで考えると、とても難しく感じました。
最初の頃は、まず安全に関する施工方法の部分を見るようにしていました。
どの手順でどのように施工を行うかが記載されていて、その手順が基本的には安全に作業するための流れだと考えたからです。
その次に意識するようになったのが、仕様書や基準書の該当部分をもとにした出来形管理や品質管理につながる内容です。
最初は自分で仕様書や基準書から探そうとしても、どこを見ればいいのか分からないことが多かったです。
ただ、写真を撮るようになってからは、どういった写真を撮るべきなのかを考えるうえでも、施工計画書の内容が分かりやすいと感じるようになりました。
施工計画書は、工事全体の基本になる書類です。
新人のうちは細部よりも、工事の進め方の全体像をつかむ意識で見ると理解しやすくなります。
工程表|今どの作業をしていて次に何があるかを見る書類
工程表は、工事のスケジュールを確認するための書類です。
今どの作業をしているのか、次に何が入るのか、全体がどう進んでいくのかを把握するのに役立ちます。
新人のうちは、現場で目の前の作業を追うだけで精一杯になりがちですが、工程表を見るクセがつくと、先の流れが少しずつ見えるようになります。
工程表を見るようになったきっかけは、「段取りを考えるようになれ」と言われたことでした。
本来はもっと早い段階から見るべきものだったのかもしれませんが、新人の頃はそこまで意識が回っていませんでした。
最初に計画工程表を見たときは、工種ごとの流れや工期に沿った各作業の日数など、情報量があまりにも多くて、正直段取りまで考える余裕はありませんでした。
そこで、自分はまず週間工程表を作成し、工事全体の中の1週間という短い期間で作業の流れを把握することから始めました。
ただ、最初はその週間工程表を作ること自体にも苦戦しました。
自分が組んだ内容が全体工程に影響しないのか、実際にその通りに現場を進められるのか、といった不安が常にありました。
それでも、週間工程表どおりに作業が進んでいるかを確認しながら、次の週はどんな流れにするべきか、いつ打設があるから予約が必要か、といったことを少しずつ考えられるようになっていきました。
もちろん、最初から自分ひとりでできたわけではなく、先輩に何度も確認してもらいながら覚えていきました。
工程表は、今と次の作業をつなげて考えるために大切な書類です。
新人のうちは、まず流れをつかむために見る習慣をつけるだけでも大きな意味があります。
出来形管理に関する書類|仕上がり寸法を確認するための書類
出来形管理に関する書類は、施工後の寸法や形が基準を満たしているかを確認するためのものです。
現場で測定した数値を整理し、管理図や記録としてまとめていきます。
新人のうちは、まず
「何を測って、どう記録しているのか」
を知ることが大切です。
写真管理や測定とつながる場面も多いため、現場で触れる機会も比較的多いと思います。
出来形管理については、図面や施工管理基準書をもとに出来形管理図を作成し、現場で実際に測定を行っていきます。
ただ、最初は「出来形」と聞いてもすぐに管理図を作れるわけではなく、自分もまずは測定の手元作業から覚えていきました。
どのように測るのか、どの道具を使うのか、そしてそれに伴ってどのような写真を撮るのか。
そういった部分は写真管理とも密接につながっていて、状況写真以上に大事な場面も多く、おろそかにできないものだと感じました。
その後は、管理図作成に必要な断面図を豆図にしたり、実際の測定に必要な項目を洗い出したりしながら、少しずつ自分でも管理図を作成するようになっていきました。
出来形管理の書類は、施工後の仕上がりを証明するために大切です。
新人のうちは、まず測定と記録、写真がセットになっていることを理解するところからで十分だと思います。
品質管理に関する書類|材料や施工の状態を確認するための書類
品質管理に関する書類は、材料や施工の状態が適切かどうかを記録・確認するためのものです。
例えば、材料の受け入れ、試験結果、施工条件、養生状況など、品質に関わる内容をまとめていきます。
現場では、完成後に見えない部分や、その時点でしか確認できないことも多いため、記録として残すことが大切になります。
品質管理の書類で最初に触れたのは、コンクリート打設に関する品質管理図でした。
コンクリートの打設時間や使用材料の受入検査、圧縮強度試験、打設後の養生期間28日以降に行う現場での推定強度測定など、コンクリート構造物に関する品質管理が最初の頃に触れた内容でした。
やはり検査では、主に出来形や品質に関する質問や確認が多く、この2つはどうしても切り離せないものだという印象があります。
そのため、品質管理の書類も、現場で施工した内容を証明するうえでとても大切なものだと感じています。
品質管理の書類は、工事の状態や材料の適切さを証明するために必要です。
新人のうちは、何を記録するのかと、その理由を少しずつ理解していくことが大切です。
安全書類|現場で安全に作業するための基本になる書類
安全書類は、現場で安全に作業を進めるために必要な書類です。
施工体制や作業内容、危険ポイント、作業員情報など、安全管理に関わる内容が含まれます。
新人のうちは作成そのものよりも、
「安全書類は現場で安全を守るための前提になる」
と理解しておくことが大切です。
やはり、最初に覚えたのは安全書類だったと思います。
日々の朝礼で行うKY活動を通して、今入っている現場の危険箇所はどこかを確認したり、重機作業計画書などの全建統一様式の書類を覚えたりしながら、現場に合わせた内容を作成していきました。
新人の頃は、先輩から朝礼後に現場で
「今日の作業を見て、どんな危険があると思う?」
といった形で問題を出され、安全について詳しく教えていただいたことがあります。
その中で強く教わったのが、
「安全なくして生産なし」
という考え方でした。
何よりもまず安全第一で考えることが大切だと学びました。
実際に日々の現場巡視や作業に関わっていく中で、
「あれは危険かもしれない」
「この行動は不安全行動ではないか」
といった点に自然と目が向くようになり、自分自身の安全に対する意識も少しずつ高まっていきました。
そのうえで、安全は誰か一人が守るものではなく、みんなで作っていくものだということも学びました。
朝礼や打ち合わせの場で不安全行動の是正を伝えたり、作業環境の改善に取り組んだりすることの大切さを、現場の中で実感してきたように思います。
安全書類は、現場で安全に作業するための土台になる書類です。
新人のうちは、何のために必要なのかを理解しておくことが大切です。
工事写真に関する整理資料|写真も書類仕事の一部
工事写真は撮るだけで終わりではなく、整理や提出まで含めて書類仕事の一部です。
黒板内容の確認、分類、写真の並び、説明の整理なども含めて、現場管理の記録として扱われます。
写真管理の記事でも触れてきたように、写真は記録である以上、後から確認しやすい形で整理することが大切です。
工事写真の撮り忘れや失敗については、こちらの記事でも詳しくまとめています。
→ 工事写真でよくある失敗とは?撮り忘れ・見切れ・黒板ミスを防ぐコツ | 現場監督の土木ラボ
また、写真管理を少しでも楽にする段取りについては、こちらの記事でもまとめています。
→施工管理の写真管理を楽にするコツ|現場で意識している段取りを解説 | 現場監督の土木ラボ
工事写真は、撮るだけで終わる仕事ではありません。
例えば、工事打合せ簿を作成する際には根拠資料として写真を使うこともありますし、黒板の作成、撮影準備、撮影後の整理まで含めると、書類作成と同じくらい労力がかかっていると感じます。
そういった点を考えると、工事写真も書類仕事の一部と言わざるを得ません。
写真は撮るだけならまだよいのですが、提出書類によっては工種ごとに必要な写真をピックアップしてアルバムを作成し、PDFにまとめて書類へ添付するといった作業まで必要になります。
しかも、写真は「撮って後から整理すればいい」と単純に後回しにできるものでもありません。
むしろ、写真を添付して現場の状況を伝え、協議に回すなど、少しでも現場を進めるために必要な書類には写真がつきものだと感じています。
工事写真も、整理や提出まで含めると立派な書類仕事のひとつです。
新人のうちは、撮影だけでなく、その後の整理まで意識すると理解が深まりやすくなります。
新人のうちは書類を全部覚えようとしなくていい
施工管理の書類は種類が多いため、新人のうちから全部を完璧に覚えようとすると、かえって混乱しやすくなります。
大切なのは、
・その書類は何のためにあるのか
・どの場面で使うのか
・自分が今どこまで関わるのか
を少しずつ理解していくことです。
最初は名前だけで難しく感じても、現場と結びついてくると少しずつ意味が分かってきます。
だからこそ、分からないまま抱え込まず、その都度確認しながら覚えていく方が現実的です。
書類については、最初から全部を覚えようとしなくてもいいと思います。
現場にいると、
「こんな書類もあるんだな」
「この書類は何のためにあるんだろう」
と自然に目に入ってくることが多く、そうした積み重ねの中で少しずつ覚えていくものだと感じています。
そういった意味でも、最初は今日やる作業箇所の図面や、朝礼で使うKY用紙、作業箇所や使用機械の点検簿など、安全に関する書類から徐々に覚えていければよいと思います。
ただ、インプットの仕方は人それぞれであっても、「興味がないから見なくていい」というものではないとも感じています。
現場の仕事は書類と切り離せないので、現場事務所にある書類には一通り目を通しておくことが大切です。
実際、自分は現場を持つようになる前に、書類の確認や作成を経験していたことで、事務所に掲示しなければならない書類や、事前に準備しておかなければならない点検簿などをある程度把握できていました。
もしその経験がなければ、現場を進めるうえで支障が出ていた可能性もあったと思います。
そのため、無理に全部を覚える必要はありませんが、
「こんな書類もあるんだな」
と漠然とでも目を通しておくことは大事だと思います。
新人のうちは、書類を全部覚えることより、役割を少しずつ理解していくことの方が大切です。
現場と結びつけながら覚えると、無理なく頭に入りやすくなります。
まとめ
施工管理で新人が最初に覚えたい書類には、
・施工計画書
・工程表
・出来形管理に関する書類
・品質管理に関する書類
・安全書類
・工事写真に関する整理資料
などがあります。
最初は名前だけで難しく感じるかもしれませんが、大切なのは
「何のために使う書類なのか」
を少しずつ理解していくことです。
書類は現場とは別の仕事に見えるかもしれませんが、実際には現場の流れや品質、安全、記録としっかりつながっています。
だからこそ、新人のうちは全部を完璧に覚えようとするより、まずはよく触れる書類から役割を知っていくことが大切だと思います。
それでは皆さんご安全に!👷♂️✨🫡

コメント