将来の夢はいらない。計画的偶発性理論を考える。

こんにちは!Doboku Labの浅野です。

今回は計画的偶発性理論という理論に基づいて、今までの所謂「キャリア教育」について考えます。

計画的偶発性理論とは

この理論はスタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が提唱した理論で、キャリア・ライフデザインにおいて有名な理論の一つです。

「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」としつつも、その偶発的なことを計画的に設計してキャリアをより良いものにするというものです。

なんだか矛盾しているように見えますよね。

「偶発的なこと」を「計画」するのですからね。

従来のキャリア形成と比べて説明していきます。

従来・現在のキャリア形成

みなさんは中学生・高校生の時にこんな言葉をかけられたことはありませんか?

「将来はどんなことがしたいの?」という言葉です。

私は中学生の時も高校生の時もこの言葉をかけられました。

こういう言い方だった時もありました。「どんな仕事がしたい?」といった感じ。

 

この言葉に対して冷静に考えてみることにします。

上記のような言葉をかけられた人は自分の思いつく職業の中で、一番自分がやりたいであろう職業を考えるでしょう。

当然ですよね。そう聞かれているからです。

しかしその職業は、自分が知っている職業なわけです。

自分の知らない職業は絶対に出てきません。知らない訳ですから、思いついたら天才です。

 

その質問に答えられなかったとき、こうも聞かれたこともありました。

「自分は何が得意だと思う?」

得意なことを仕事にということですね。

こう聞くのも優しさからだというのも分かるのですが、自分が今得意なことよりも得意なことがある可能性を捨ててしまうことにならないでしょうか。

 

このように従来のキャリア形成は「自分の手札をいかし自分に適した一つの職業を探し出す」ような形なのです。

でもこれって正しいんですかね。だって10年後の職業なんてどんどん読めなくなってる世界です。

一つの職業を目指してその職業がいらなくなったときのリスクが、あまりにも大きすぎます。

計画的偶発性理論のポイント

一度定まった将来の目標・夢を追い続けて、本当に十年後の世界でもそれが変化しないなんて分からない訳です。

未来を重視しても変化するから未来の計画はほどほどにして、今を最大化しようというのがポイントです。

今の自分が将来やりたいことをある程度曖昧に決めたら、それに向かって全力で行動しようという、未来よりも今を重視するのが計画的偶発性理論です。

今やりたいことに全力を注ぐのです。

そうするとそこで出会いやチャンスという偶発的なことが起こせるというのが計画的偶発性です。

ただ待っていても偶発的なことは起きないので積極的な行動が必要とされています。

予想しない偶発的な出来事をうむには以下の5つが重要としています。

  1. Curiosity: exploring new learning opportunities
  2. Persistence: exerting effort despite setbacks
  3. Flexibility: changing attitudes and circumstances
  4. Optimism: viewing new opportunities as possible and attainable
  5. Risk Taking: taking action in the face of uncertain outcomes

それぞれ日本語で

  1. 好奇心:新しい学習の機会を模索
  2. 持続性:失敗に屈せず努力し続けること
  3. 柔軟性:信念、概念、態度、行動を変えること
  4. 楽観性:新しい機会は必ず実現すると考えること
  5. 冒険心:不確実でもリスクを取って行動

という感じです。

これらに基づき行動をすると偶発的なことが起こりやすくなり、個人のキャリアが良くなると考えるのが計画的偶発性理論です。

今を最大化して、その先で起こった出会いやチャンスを生かすことが出来ればいいんです。

将来の夢がなくても、「今のところの仮の夢」でいいということです。

 

今何がしたいか、それを好奇心を持って模索し、そのための努力を持続させてみる。

もし別にやりたいことが出来たら柔軟性をもって乗り換える

一貫性のあるキャリアは一見格好いいですが、今の時代は生涯勤め上げるような時代から変化しています。乗り換えていいんです。

そして次のチャンスやより良いキャリアは必ず来ると楽観的に考え、ほかの人がやらないことでもリスクを取って行動する

すると、偶発的なこと、つまり出会いやチャンスが計画されたかのようにやってくるわけです。

計画的偶発性理論を土木で考える

さて、軽く計画的偶発性理論について触れました。これを土木に照らし合わせてみましょう。

土木という分野は本当に広い分野です。水理・地質・計画・交通・構造・エネルギー・インフラ・公務員…自分が付きたい仕事、夢に悩むこともあるでしょう。

研究室選びだけで悩む学生も多くいるでしょう。「将来どんな事したいかな」「どういう仕事がいいかな」って考えてしまいますよね。

そんなこと考えても、今の学生のあなたの知見では分からないこと、知らないことがたくさんあるんです。

だから今やりたいことを「今のところの仮の夢」にしちゃえばそれでいいんです。

今は公務員になりたいかな、今は橋をつくりたいな、で大丈夫です。

 

しかしそれだけを目指し続ければいいわけではありません。

上でも触れた通り、好奇心を持ち模索することが重要です。

どんな仕事があるのか、自分の知らない仕事はないのか、好奇心を持って模索しましょう。

そしてめちゃくちゃ頑張ってみるんです。人間は行動しないとやる気が出ない生き物なので、とりあえずでいいからやってみるんです。持続性です。

頑張るんですけど、ほかに夢を感じたら乗り換えましょう。楽観的に、冒険心をもって、柔軟に、でしたね。

このように、今のところやりたいことを頑張ってみる。

そして5つの行動特性を意識すると、勝手に出会いやチャンスがやってくるんだという考えが計画的偶発性理論です。

今を生きろみたいなところがあります。

みなさんも変化の激しい時代にあったキャリアを考えましょう。楽観的に。